NBSの沿革
1960年、ソビエト連邦文化省の肝入りにより、わが国最初の専門的バレエ教育機関として「チャイコフスキー記念東京バレエ学校」が発足。同校は、バレエの本場ソ連から一流の教師を招き公演活動を行うも、経済的な破綻から閉鎖を余儀なくされる。
当時、公演の舞台監督をつとめていた佐々木忠次のもとにバレエ学校再建を望む声が数多く寄せられ、その遺産を引き継ぐかたちで1964年に「東京バレエ団」を創立。同バレエ団を支えるために佐々木忠次が、株式会社ジャパンアートスタッフ(NBSの前身)を設立、東京バレエ団の管理・運営・制作を行うことになる。
株式会社ジャパンアートスタッフは、当時とても困難であった"建物以外は全部持ってくる"「引越し公演」を1974年のバイエルン国立歌劇場(主催民主音楽協会)で初めて実現。それ以降、1979年英国ロイヤル・オペラ、1980年ウィーン国立劇場、1981年ミラノスカラ座と、毎年世界各地から名門歌劇場を次々に招聘し、それらの公演の制作業務を行う。またバレエ公演では、民主音楽協会主催の「世界バレエシリーズ」として1966年のノボシリビスク・バレエ団を皮切りに、20世紀バレエ団、パリ・オペラ座バレエ団、シュツットガルト・バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団などの招聘、制作を行う。
1981年、文化庁の指導により財団法人化するとともに事業を一本化、「日本舞台芸術振興会(略称NBS)」と称するようになる。2011年には政府の公益財団法人改革にともない内閣府より<公益財団法人>に認定され今日に至る。
沿革
1960年(昭和35年) | 東京バレエ団の前身チャイコフスキー記念東京バレエ学校開校 |
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1964年(昭和39年) | NBSの前身(株)ジャパンアートスタッフ設立 東京バレエ団設立 |
1966年(昭和41年) | 第一次海外公演―ソビエト連邦 モスクワ、レニングラード、カザンでの公演が大成功を収める。この成果により、ソ連文化省から"チャイコフスキー記念"の冠称を許される。 |
1970年(昭和45年) | 東京都目黒区八雲にバレエ会館 完成 |
1976年(昭和51年) | <第一回世界バレエフェスティバル> 開催 |
1978年(昭和53年) | 東京都目黒区八雲に本社ビル 完成 |
1979年(昭和54年) | 英国ロイヤルオペラ引越し公演を実現 |
1980年(昭和55年) | ウィーン国立歌劇場引越し公演を実現 |
1981年(昭和56年) | 財団法人 日本舞台芸術振興会 発足 |
1986年(昭和61年) | 東京バレエ団 ベジャール振付「ザ・カブキ」世界初演(欧州五大オペラハウスをはじめ公演) |
1987年(昭和62年) | ベルリン・ドイツ・オペラ引越し公演「ニーベルングの指環」(全曲日本初演)を実現 |
1989年(平成元年) | 東京バレエ団 ノイマイヤー振付「月に寄せる七つの俳句」世界初演 |
1993年(平成5年) | 東京バレエ団 「ザ・カブキ」上演回数通算100回を達成 東京バレエ団 ベジャール振付「M」世界初演 |
1994年(平成6年) | 東京バレエ団 キリアン振付「パーフェクト・コンセプション」世界初演 |
1999年(平成11年) | 東京都目黒区目黒に本社ビル(本館)完成 |
2003年(平成15年) | シカゴ交響楽団 音楽界の"帝王"ダニエル・バレンボイム指揮によるモーリス・ベジャール振付「ボレロ」を世紀のプリマ シルヴィ・ギエムが舞う奇跡の競演が実現 |
2005年(平成17年) | 文部科学大臣より〈特定公益増進法人〉として認可 |
2006年(平成18年) | 海外招聘公演の舞台最終稽古(ゲネプロ)公開を始める |
2009年(平成21年) | 東京バレエ団 マカロワ版「ラ・バヤデール」初演 東京バレエ団 ポワントシューズ支給開始 |
2010年(平成22年) | 東京バレエ団 アシュトン振付「シルヴィア」初演 東京バレエ団 クランコ版「オネーギン」初演 第24次海外公演―ヨーロッパ ミラノ・スカラ座で海外公演通算700回を達成 |
2011年(平成23年) | 公益財団法人 日本舞台芸術振興会 として認定 NBS創立30周年記念事業 佐々木忠次バレエ会館(新館) 完成 |
2012年(平成24年) | 台詞、構成に工夫を凝らした、初のファミリー向け作品 子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」初演 |
2013年(平成25年) | 見て、触って、体験する子供のための祭典"めぐろバレエ祭り"開催 東京バレエ団 エック版「カルメン」初演 |
2014年(平成26年) | 東京バレエ団 創立50周年記念公演 ベジャール振付「第九」復活上演 |
2015年(平成27年) | 斎藤友佳理 東京バレエ団芸術監督就任 東京バレエ学校 海外研修制度開始 |
2016年(平成28年) | 東京バレエ団 ブルメイステル版「白鳥の湖」初演 |
2017年(平成29年) | 東京バレエ団現役ダンサーによる創作活動「コレオグラフィック・プロジェクト」始動 1日バレエで遊べるバレエのテーマパーク"上野の森バレエホリデイ"開催 |
2019年 (平成31年、令和元年) |
第34次海外公演ーポーランド、オーストリア、イタリア> ポーランド"ウッチ歌劇場"で「ザ・カブキ」上演回数通算200回を達成 東京バレエ団 文化庁芸術祭(舞踊部門)大賞受賞 |
2020年(令和2年) | 東京バレエ団の前身 チャイコフスキー記念 東京バレエ学校 創立60周年 |